
ChatGPTを事業目的で使用している場合、利用料は経費として認められます。
プロット作成、資料のリサーチ、英文メールの翻訳、コードのデバッグなど、業務でChatGPTを使用するクリエイターが確定申告する際に必要な情報について解説します。
ChatGPTの勘定科目はどれが正解?
ChatGPTの勘定科目としては複数の科目が考えられ、用途によって適した科目が異なります。まずは自身の使用目的や、実際にどういった業務に利用しているかを整理して勘定科目を決めましょう。
ただし、会計には「継続性の原則」というものがあり、基本的には一度ChatGPTの勘定科目を決めたら、同じ科目を使い続けなければなりません。
少なくとも同じ年はその科目を使い続ける必要があります。
また、後々税務調査が入った際に、「この科目に計上している経費の内容は何か」を説明できるようにしておく必要があるため、摘要にChatGPTの利用料であることと、何月分のものかをわかりやすく記載しましょう。
ChatGPTの勘定科目として適した科目を説明します。
通信費
クラウドサービスや利用料として通信費で計上することが考えられます。
ChatGPTはインターネット接続をして利用するサービスであり、業務上の情報取得のために使用している場合、通信費との親和性が高いでしょう。
例えば、リサーチやアイデア整理、調査補助ツールとして使用している場合などが該当します。
通信費はインターネット回線利用料やプロバイダ料金と同じ科目となるため、他と区別するために摘要に「ChatGPT 業務用ツール利用料」などと記載しておくといいでしょう。
支払手数料
ChatGPTの利用対価として、支払手数料で計上するのも適しています。
クラウドサービスやオンラインツールの利用料をまとめて処理でき、汎用性が高いです。
決済手数料や各種サービス利用料と同列に処理でき、会計処理がシンプルになります。
ただし、振込手数料や各種サービス利用料も支払手数料勘定として処理するため、摘要に「ChatGPT利用料」などと記載し、他の手数料や利用料と区別できるようにしておくといいでしょう。
諸会費
ChatGPTを定額制サービスとして、諸会費に計上する方法も考えられます。
諸会費は会費や月額利用料など、継続的な支出をまとめる勘定科目として使用でき、複数のサブスクリプションサービスを契約しており月額利用料をまとめたい場合の科目として適しています。
諸会費として利用する場合、支払内容がわかるように摘要に「ChatGPT 月額利用料」などと記載をしましょう。
広告宣伝費
ChatGPTを用いて集客や売上向上のための文章作成、企画立案に活用している場合、広告宣伝費として計上する方法もあります。
他にも集客・知名度向上のためのブログ記事やSNS投稿、キャッチコピー作成などのマーケティング目的に利用しているのであれば、広告宣伝費として使用する合理性があります。
研究開発費
ChatGPTを何らかの研究に使用する場合や技術検証として利用する場合、研究開発費として計上することが考えられます。
この場合、摘要に使用用途として何の研究や技術検証で使用したかわかりやすく記載しておくといいでしょう。
インボイス制度と消費税の取り扱い
自身が消費税の課税事業者である場合、支払った費用について「仕入税額控除」を行い消費税の負担額を減らせます。
ただし、仕入税額控除をするためには、原則として支払先が「適格請求書発行事業者」であり、インボイスをその支払先に交付してもらい保存しておく必要があります。
ChatGPTの利用料は、仕入税額控除できるか解説します。
OpenAIは適格請求書発行事業者
ChatGPTを運営するOpenAI,LLCは2025年より適格請求書発行事業者として登録されています。
これによりChatGPTのサイトでインボイス対応の請求書・領収書をダウンロードできるようになり、仕入税額控除が可能になりました。
OpenAI,LLCの登録番号は国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で確認できます。
仕入税額控除の可否
仕入税額控除を受けるには、原則として支払先からインボイスの形式を満たす請求書や領収書などを取得し、保存しておく必要があります。
インボイスの要件を満たすには、適格請求書発行事業者の登録番号やインボイス交付先の名称、消費税額などの記載が必要なため、そういった記載がされているか確認しましょう。
なお、インボイス制度には特例が設けられており、インボイスがなくても令和8年10月1日までは課税仕入れの80%、令和11年10月1日までは課税仕入れの50%まで仕入税額控除が可能です。
消費税の申告時期
個人事業主の場合、消費税の申告期限は原則として翌年3月31日であり、この日までに申告・納付までを済ませる必要があります。
消費税の計算を行う場合、取引ごとに消費税の課税対象かどうか、消費税の適用税率はいくらかを区別し集計する必要があります。
かなりの手間となるため、申告期限直前にまとめて処理するのではなく、日常的に消費税の処理をしておくようにしましょう。
海外サービス特有の外貨建取引と為替の処理
ChatGPTの利用料はドル建てで請求され、クレジットカード決済の際に日本円で引き落とされます。
ChatGPTの利用料を計上する場合は、クレジットカードの引き落とし額で計上しましょう。
ChatGPTの利用料はドル建てのため為替の影響を受け、毎月利用料が変わることになります。一定額を機械的に計上せず、クレジットカードの利用明細を見て計上するようにしてください。
基本的な外貨建処理
サービスの支払いをクレジットカードでの引き落としではなく直接外貨で行う場合、取引日時点のレートで円換算した額を計上します。
レートには「TTM(電信仲値相場)」を使用するのが原則です。
また、取引を売掛金や買掛金で行い、代金決済日が後になる場合、取引時から為替レートが変動することが考えられます。
この場合、売上や経費は取引日のレートで処理し、取引日と代金決済日のレートのずれによって生じた為替差は「為替差損益」として計上します。
100ドルを為替レート1ドル150円のタイミングに掛仕入で計上した場合、仕入額として15,000円を計上します。
その後、掛仕入分の支払いをする際の為替レートが1ドル155円だったとすると、日本円での支払額は15,500円で、仕入時との差額500円が発生します。
この場合、500円多く支払うことになったため、「為替差損」500円として計上します。
クレジットカード払いの経費計上タイミング
ChatGPTの利用料の支払い方法は、クレジットカード払いが一般的ですが、経費計上のタイミングに注意が必要です。
経費計上する際は、クレジットカードの利用明細に記載されているChatGPTへの支払いが何月分のものかを確認しましょう。
例えば、クレジットカードの請求が翌年1月にきたとしても、ChatGPTの支払いが今年分のものであれば、今年の確定申告で経費計上します。
今年分の支払いに該当するものを、翌年の確定申告で経費計上はできないため、経費の計上もれがないか注意しましょう。
個人事業主は要注意!ChatGPTの家事按分の考え方
ChatGPTを仕事専用に使っているのであれば、利用料を全額経費として計上できます。
しかし、プライベートでも使っている場合、利用料を仕事とプライベートに分けて、仕事分のみを経費に計上する必要があり、この処理を「家事按分」といいます。
家事按分をするのであれば、使用時間や利用量など、客観的で説明可能な基準で按分する必要があります。
例えば、仕事での使用量が8割、プライベートでの使用量が2割であれば、ChatGPT利用料の8割のみを経費計上する処理をします。
使用時間の記録や、プロンプトの履歴を残しておくと、後々税務調査が入った場合の証拠になります。
領収書(インボイス)のダウンロードと保存方法
ChatGPTのインボイス対応領収書は管理画面から取得できます。所得税や消費税の確定申告のため、ダウンロードして保存しておきましょう。領収書のダウンロード方法を解説します。
取得手順
ChatGPTにログインし、「Settings(設定)」画面からメニュー内にある「Billing(請求・支払い)」を選択します。
Billing画面内にある「Invoice history(請求履歴)」で過去に発行された請求書・領収書の一覧を確認できます。
対象となる月を選択するとPDF形式のインボイスをダウンロードできるため、保存しておきましょう。
電子帳簿保存法への対応
電子帳簿保存法により、PDFで受け取った請求書や領収書は電子データのまま保存する必要があります。
ChatGPTの請求書・領収書はPDFでのダウンロードになるため、電子データのまま保存しましょう。
電子データの保存要件として、取引年月日や取引先などで検索できるように保存することが求められているため、取引年や月でフォルダ分けしておくとよいでしょう。
まとめ

ChatGPTの利用料は、事業目的で使用している場合は経費になります。
勘定科目は利用用途などに応じて決めましょう。
ChatGPTの利用料を仕入税額控除するためには、ホームページからインボイスの要件を満たした請求書・領収書をダウンロードし、保存しておく必要があります。
データで受領した請求書・領収書はデータのまま保存する必要があるため注意しましょう。
‐免責事項‐
本サイトの内容は一般的な税務情報の提供を目的としたものであり、特定の事案に対する助言を行うものではありません。具体的な税務判断については、必ず税理士等の専門家へご相談ください。
