
Twitchで収益化できるようになると、「確定申告しないといけないの?」という不安が出てくるでしょう。
Twitchはドルベースで収益が計上され、日本国外で得た売上となるため、確定申告が複雑になります。
しかし、何もせずに放置していると「追徴課税」というペナルティが発生し、多額の税金を納付することになるリスクもあります。
また、アメリカで税金を引かれており、何の手続きもしないと損をしてしまう場合もあります。
この記事では、いくら稼いだら確定申告が必要なのか、Twitchの収益に関する注意点、アメリカで引かれる税金の対策などを解説します。
Twitchの収益について税金が発生するタイミング
Twitchから得た収益には、税金が発生します。
税金が発生するタイミングや、いくらから確定申告が必要なのか解説します。
収益の種類
Twitchの収益にはサブスクリプション、ビット&チアーズ、広告収入、スポンサーシップとブランドコラボレーション、アフィリエイトリンクと外部グッズ販売、サードパーティーのサービスを通じての寄付などがあります。
これらのどの収益に対しても税金が発生します。
「この収益であれば税金の対象にならない」ということはなく、すべて課税対象になります。
いくらから申告が必要?
Twitchからの所得が一定額以上になると所得税の確定申告が必要になります。
所得とは、収益からかかった経費を差し引いた残りです。
会社勤めやアルバイト・パートとして働き、職場で年末調整を受けている場合、税務上Twitchは副業扱いになります。
この場合、年末調整を受けた職場の給与以外の、Twitchを含めたすべての所得合計が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要です。
ただし、その場合でも住民税の確定申告をする必要があるため注意しましょう。
年末調整を受けていない場合、Twitchを含めたすべての所得合計が95万円以下であれば確定申告は不要です。
確定申告では「基礎控除」という控除が受けられます。
これは、所得2,500万円以下のすべての人が受けられるもので、所得から一定金額を差し引ける制度です。
基礎控除により所得が0になれば、確定申告は不要となります。
基礎控除の額はその人の合計所得によって変わり、所得132万円以下の人は95万円の控除が受けられます。
つまり、基礎控除により所得合計が95万円以下の人は所得が0となるため、確定申告が不要になります。
課税されるタイミング(発生主義)
課税されるタイミングは収益が発生した年であり、Twitchから支払いを受けた年ではありません。
たとえば2025年12月分のサブスク収益が、2026年1月に支払われた場合、課税されるタイミングは2025年です。
この場合、2025年の確定申告に含めなければならず、確定申告の計上がもれていた場合は修正申告を行って不足分を納税しなければなりません。その際、本来の税金に加えて、ペナルティとして延滞税などの追徴課税が発生する可能性があるため、注意が必要です。
Twitchのルールでは未払いの収益が100米ドルを超えると翌月の15日頃に支払いが行われるため、収益の発生タイミングと支払いが行われるタイミングがずれます。
何月にいくら稼いだかはTwitchの収益アナリティクスで確認できるため、そちらを確認して収益をもれなく確定申告する必要があります。
参考:Patreon(パトレオン)の収益は確定申告が必要?ドル換算・手数料・節税のポイントを解説
ドル円の為替レート(TTM)
Twitch収益はドルで計算されるため、日本円に換算して収益を計上する必要があります。
原則として収益が発生した日の為替相場のうちTTM(対顧客電信売買相場の仲値)を使用して円換算します。
ただし、継続適用を条件として月ごとの平均レートTTMを使用できます。
海外法人ならではの罠「二重課税」と「W-8BEN」
Twitchはアメリカで運営されているサービスであり、アメリカの源泉徴収を受けます。
この場合に気を付けなければならないのが二重課税の問題です。
二重課税とはなにか、その対策も解説します。
二重課税に注意
Twitchはアメリカで運営されており、Twitchから得た収益のうち30%が源泉徴収として天引きされ、アメリカに納付されます。
日本の確定申告においても、Twitchから得られた源泉徴収天引き前の所得に対して税金がかかるため、何もしないとアメリカと日本で二重に税金を取られることになります。
この状態を防ぐための方策について解説します。
W-8BENを提出する
W-8BENという書類をアメリカに提出することで、Twitch収益から天引きされるアメリカの源泉徴収税率が30%から10%に減るため、源泉徴収額を大幅に減らせます。
後述する外国税額控除を受けることで、二重課税になっている税額の一部が免除されるものの、外国税額控除を受けられる額には限度があります。
そのため、Twitchを収益源にしたい場合、W-8BENを事前に提出しましょう。
W-8BENの書き方は、下記記事を参考にしてください。
参考:【2026年最新】W-8BENの個人クリエイター向け書き方ガイド
外国税額控除を申告する
外国税額控除とは二重課税を防ぐため、日本の確定申告において受けられる控除です。
外国で納めた税額分、日本の税額から控除できます。
外国税額控除には限度額があり、限度額は下記の算式で計算します。
外国税額控除限度額=その年分の所得税額×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)
たとえば、所得税額51,000円、Twitchで得た所得200,000円(調整項目なし) 、所得総額1,900,000円とすると、控除限度額は5,368円になります。
51,000円×(200,000円/1,900,000円)=5,368円
この場合、アメリカで源泉徴収された金額のうち5,368円まで日本の所得税額から差し引けます。
参考: 外国税額控除で海外報酬の二重課税を解消する方法と書き方を解説
税務署はここを見ている!Twitch収益の注意点
Twitchで得た所得が一定額以上であれば、必ず所得税の確定申告が必要になります。
申告していないと、「無申告加算税」「延滞税」「重加算税」などの追徴課税が発生する場合があります。
無申告加算税は、納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%を乗じた金額が発生します。
延滞税は納付期限の翌日から、納付する日数までに応じて所定の税率を乗じた金額がかかります。
さらに、税務署から調査を受けた際に、意図的に申告内容を仮装・隠ぺいしたなど悪質と判断された場合、納付すべき税額に対して40%の税率が課されます。
追徴課税は非常に重いペナルティとなるため、必ず確定申告をしましょう。
Twitchで得た報酬を隠そうとしても、税務署はそれを見抜いてきます。
以下、Twitchの課税対象となる収入について、注意するポイントを解説します。
投げ銭(Bits)や商品提供について
投げ銭(Bits)などでまだ振り込まれていないものについても、必ず該当する年の確定申告の対象に含めましょう。
税務調査が行われれば、口座や収益アナリティクスの情報提供も求められるため、適切なタイミングで確定申告をしているかはすぐにわかってしまいます。
また、仮にTwitchで知名度が上がり、企業から商品を無償提供されたような場合、提供された商品の時価を収益として計上する必要があります。
提供されたものが金銭以外でも収益として確定申告の対象となるため、注意しましょう。
SNSでの露出
確定申告において、所得や税額の計算が適切かの詳細な確認は、確定申告をしたタイミングではなく税務調査によって行われます。
税務調査はすべての納税者に行われるものではなく、ランダムに決めるほか、税務署側が特定の対象を決めて調査を行います。
近年ではSNSの利用者数の増加や、生活の様子を掲載されることが多くなったため、税務署側もSNSを情報収集手段の1つとしています。
そのため、SNSで収入内容を公開したり、高級資産の自慢をしたりすると税務調査の対象になってしまう場合があります。
SNSで売上、報酬などの数字は投稿しないようにしましょう。
また、Twitchで有名になるほど妬みや敵意、脱税を疑う気持ちなどによるタレコミの危険性が高まるため、知名度が上がってきたらTwitch配信中の発言やSNSでの投稿には特に注意しましょう。
まとめ

Twitchから得た収益、企業などから無償で提供されたものはすべて確定申告の対象となります。
一定額を超える場合、必ず確定申告を行ってください。
なお、所得税の確定申告は不要でも、年末調整を受けた給与以外の所得があれば住民税の確定申告は必要です。
申告もれや間違いを防ぐため、収益の計上時期や為替レートには特に注意してください。
また、税務調査で狙われないよう、SNSでの不用意な発言には気を付けましょう。
確定申告はただでさえ大変な上、外国為替が絡むと計算が複雑化します。
Twitchでの収益が伸び始めたら、クリエイターの税務に特化している税理士に相談することが税務上のトラブル回避につながります。
田中貴久公認会計士は、クリエイターの確定申告に関して豊富な実績があります。確定申告に関するお悩みは、お気軽にご相談ください。
‐免責事項‐
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