
TikTokで収益が出たけれど、税金の手続きが不安なクリエイターもいるでしょう。投げ銭、再生報酬、企業案件、アフィリエイト収入が混在するTikTokでは、売上計上の時期や経費の整理が曖昧になりやすく、帳簿不備として税務調査で確認されやすくなります。
そこで本記事では、TikTokで収益を得た場合の確定申告について解説します。
TikTokの収益と課税対象
まず、TikTokの収益と課税対象について確認しましょう。
TikTokの収益を整理
TikTokの収益として課税対象になり得るものは、主にTikTok LIVEのギフト、Creator Rewardsによる報酬、企業案件の報酬、アフィリエイトやTikTok Shop関連のコミッションです。
同じ「TikTok収益」にみえても、発生原因が違うと帳簿の付け方や証拠資料の残し方が変わります。
たとえば、LIVE配信中に視聴者から受け取るギフトは、TikTok上でダイヤモンドとして管理される仕組みがあります。Creator Rewardsは、一定の条件を満たした動画について、有効視聴数などに応じて報酬が発生する制度です。
さらに、企業案件ではPR投稿や商品紹介の対価として報酬を受け取ることがあり、これは一般的な業務委託報酬に近い性質を持ちます。
加えて、TikTok Shopやアフィリエイト機能では、商品購入や販促成果に応じてコミッションが支払われることがあります。
具体例として、ライブ配信で受け取ったギフト、1分以上の動画投稿で発生したCreator Rewards、化粧品会社からのPR報酬、TikTok Shop経由の商品紹介報酬は、いずれも税務上は「収入として把握すべき候補」です。
収益源を分けて記録しておくことで、後の確定申告や税務調査への対応がかなり楽になります。
どの時点で「売上」になるのか
TikTok収益は、実際に銀行口座へ着金した日ではなく、原則として「報酬が確定した時点」で売上として認識します。
所得計算は現金の受け取りだけでなく、いつ収入が確定したかが基準となります。TikTokでよくある誤解に、「ダイヤモンドのまま持っていれば課税対象ではない」「出金しなければまだ売上ではない」というものがありますが、税務上は誤りです。
たとえば、配信報酬やCreator Rewardsについて、アプリ内で金額や受取権が確定しているなら、その時点で収入計上しなければなりません。
具体例として、3月中にCreator Rewardsの報酬額が確定し、実際の振込が4月だった場合でも、3月分の収益として管理しなければなりません。
確定申告が必要な人とは
TikTokで収益が発生した場合に確定申告が必要となるラインは、個人事業主か副業で行っているかで異なります。
個人事業主のクリエイター
個人事業としてTikTok収益を得ている人は、収入から必要経費を差し引いた所得額を基準に、所得が95万円を超えれば確定申告の対象です。
所得税には基礎控除額があり、この金額を超える所得がある場合に課税されます。基礎控除額は所得に応じて異なるのですが、2026年では所得が132万円までの人の基礎控除額が95万円となっているため、このラインを超えると確定申告が必要となります。
本業は会社員の副業クリエイター
一方で本業が会社員で、TikTokを副業として行っている人は、給与所得以外の所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要とされています。
所得税と住民税の注意点
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要になることに注意しましょう。
ここまでの説明は所得税の確定申告に関するものであり、住民税は別途納税する必要があります。
たとえば、会社員がTikTok副業で所得15万円だった場合、所得税の確定申告は不要になることがありますが、住民税については自治体への申告が必要です。
どこまでOK?TikTokerのための経費判定ガイド
所得税の確定申告をする際、所得を計算するためにはかかった費用を経費として控除することになります。ではどのような費用が経費として控除できるのでしょうか。
正しい経費計上がポイント
TikTok収益の申告では「使ったお金を何でも経費にする」のではなく、売上を得るために直接必要だった支出だけを、根拠を残して計上するのがポイントとなります。
必要経費は所得を適正に計算するために必要ですが、私的な支出まで混ぜると過少申告や帳簿不備の原因になり、税務調査で説明を求められることになります。
たとえば、配信用スマホを仕事と私用で兼用している場合は、全額ではなく、使用実態に応じた部分だけを計上するのが基本です。
節税を意識すること自体は問題ありませんが、「売上に対して不自然に経費が多い」「証拠がない」という状態は避けるべきです。
経費にできる可能性が高いもの
TikTokの投稿・配信・編集・企画に直接使う費用は、経費にできる可能性が高いです。
具体例としては、撮影用のスマホ、リングライト、マイク、三脚などの機材費、動画編集ソフトや有料アプリ、BGM素材サイトのサブスク費用、企画で使用した小道具や検証用の購入品、撮影場所までの交通費、スタジオ代などがあげられます。
TikTok LIVEの配信環境を整えるための照明や音響機材、Creator Rewards向けの動画制作に使う編集ツールなども、用途が明確であれば経費計上を検討しやすい支出です。
これらは、収益化を目的とする活動と支出との対応関係が比較的説明しやすいからです。
さらに、TikTokではLIVEギフト、Creator Rewards、企業案件、TikTok Shop等の複数の収益源があり、それぞれに対応する制作費や販促費が生じ得るため、どの収益活動に紐づく支出かをメモしておくと、後から説明しやすくなります。
領収書、請求書、決済履歴、投稿や配信の記録を残しておくことが、修正申告の予防にもつながります。
グレーゾーン・注意が必要なもの
美容代、衣装代、飲食代などはTikTok活動と関係があっても、無条件で経費にできるわけではないため注意が必要です。
これらは私生活でも使うことが多く、事業との関連性を客観的に説明しにくい支出です。
たとえば、撮影専用のコスプレ衣装や企画用の特殊な衣装であれば、業務必要性を説明しやすい余地がありますが、普段着としても使える洋服は家事費とみられやすくなります。
飲食代も同様で、検証企画やレビュー動画で実際に使用した食材・商品であれば経費として説明しやすい一方、単なる作業中の食事や日常のカフェ代は原則として認められにくい支出です。
美容代についても、日常的なヘアカットやスキンケアは私的支出と判断されやすく、撮影専用メイクなど特別な事情がない限り慎重に扱うべきです。
こうした費用を安易に計上すると、税務調査で否認され、結果として修正申告が必要になることがあります。迷う支出は「TikTok収益を得るために不可欠だったか」「私生活と明確に切り分けられるか」で判断するのが実務上の基本です。
家事按分できるもの
結論として、自宅でTikTokの撮影や編集をしている場合、家賃、水道光熱費、通信費などは、業務使用分を家事按分して経費に計上することが認められています。
具体例として、電気代が月1万円で、そのうち配信や編集に使っている時間割合を20%と合理的に説明できるなら、2,000円を経費として処理できます。
通信費も、配信・投稿・データ送信に使う割合をもとに按分できますし、自宅の一部を撮影スペースや作業場として継続的に使っているなら、面積や使用時間を基準に家賃按分を検討できます。
ただし、割合は「何となく」で決めるのではなく、面積、時間、利用履歴などの根拠を残しておくことが必要です。按分の根拠が曖昧だと帳簿不備とみられやすく、後から説明に困ります。自宅兼作業場の経費計上は節税効果がある一方、根拠の保存まで含めて初めて経費として処理ができると考えるべきです。
まとめ

本記事ではTikTokで収益があがった場合の納税関係について解説しました。
個人事業主の場合は95万円・副業の場合は20万円というラインを頭に入れて、これを超える場合には早めに確定申告の準備をするようにしましょう。
そして、TikTokの収益はLIVEギフト、Creator Rewards、企業案件、アフィリエイトなど種類が多く、売上金額や計上時期の判断や、経費として支出を計上できるかの判断が難しいです。
継続的に活動するなら、帳簿付けや経費判定を自己判断だけで進めるより、早めに専門家へ相談したほうが安全です。TikTok特有の収益処理を確実に行いたい・事業化・法人化も見据えたいという場合には、クリエイター・個人事業主に強い田中貴久公認会計士事務所にお気軽にご相談ください。
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