アフィリエイト収入が増えてくると、「確定申告は必要か」「どの所得区分になるのか」といった税務上の疑問が生じます。

本記事では、アフィリエイトの基本から確定申告の要否、所得区分、必要な準備までを制度ベースで整理します。国税庁の基準に基づき、実務で迷いやすいポイントを段階的に解説していくので、アフィリエイトの確定申告について知りたい方はぜひチェックしてみてください。

アフィリエイトとは?

アフィリエイトは、インターネットを通じて商品やサービスの販売を支援し、その成果に応じて報酬を得る仕組みです。

アフィリエイトの基礎知識

アフィリエイトの基礎知識を確認しましょう。

アフィリエイトは成果報酬型広告の一種であり、商品購入やサービス申込みなど一定の成果が発生した際に報酬が支払われます。関係者は主に4者で構成されます。

①クリエイター(広告掲載者)は商品を紹介し、②広告主(企業)は販売促進を行い、③ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)が両者を仲介し、④ユーザーが広告経由で商品を購入します。

この仕組みにより、広告費は成果に応じて支払われるため、広告主にとって効率的なマーケティング手法となっています。

主な収益モデルの種類

アフィリエイトの収益モデルは複数存在します。

代表的なのは「成果報酬型」で、商品購入や契約成立ごとに報酬が発生します。次に「クリック報酬型(例:Googleアドセンス)」は、広告がクリックされるだけで報酬が発生する仕組みです。

また、インフルエンサー案件では、投稿そのものに対して固定報酬が支払われるケースや、商品提供(ギフティング)による経済的利益が発生することもあります。これらはすべて課税対象となる可能性があるため、収入として把握する必要があります。

アフィリエイトで確定申告が必要な人

アフィリエイトで確定申告が必要な人は、どのような人でしょうか。アフィリエイトを副業として行っているか、専業として行っているかによって判断基準が異なるので分けて確認していきましょう。

副業の場合

会社員など給与所得がある人が副業としてアフィリエイトを行う場合、給与所得および退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。

この20万円は、アフィリエイトだけで判断するものではありません。ライティング、動画編集、イラスト制作、せどりなど、ほかの副業所得がある場合は、それらを合算して判定します。

専業の場合

アフィリエイトを専業で行っている場合や、給与所得がない専業主婦、学生、個人事業主の場合は、年間所得が基礎控除等を超えるかどうかが申告要否の判断に関係します。

令和7年分以降は、一番少ない合計所得金額が132万円以下の場合、所得税の基礎控除が最大95万円となります。そのため、所得が95万円を超える場合には確定申告が必要です。

所得区分は「雑所得」か「事業所得」か?

アフィリエイト収入は、活動の実態に応じて雑所得または事業所得に区分されます。どちらに該当するかによって、利用できる申告方法や控除、帳簿管理の内容が変わります。

雑所得

副業として小規模にアフィリエイトを行っている場合や、継続的な事業活動とまでは言えない場合は、雑所得として扱うのが一般的です。

雑所得の場合、青色申告は利用できず、白色申告として申告します。ただし、雑所得であっても記録や証憑の保存が不要になるわけではありません。

令和4年分以降は、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合、現金預金取引等関係書類の保存が必要とされています。収入規模が大きくなると、税務署から内容確認を求められる可能性もあるため、管理体制を整えておきましょう。

事業所得

継続的に収益を得る目的でアフィリエイトを行い、帳簿を作成し、事業としての実態がある場合は、事業所得に該当する可能性があります。

事業所得の場合は、白色申告だけでなく青色申告も選択できます。青色申告では、一定の要件を満たすことで青色申告特別控除を受けられるほか、赤字の繰越なども認められる場合があります。

一方で、複式簿記による記帳や帳簿書類の保存など、実務上の管理負担は大きくなります。形式ではなく実態で判断されるため、収益規模や作業時間、継続性、帳簿の整備状況を踏まえて検討しましょう。

アフィリエイト所得の計算式と経費

アフィリエイト所得は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
適正な申告を行うには、収入を漏れなく集計し、業務に関係する支出だけを経費として整理することが必要です。

所得の計算式

アフィリエイト所得の計算式は、「総収入金額-必要経費=確定申告する所得金額」です。

総収入金額には、ASPから振り込まれる報酬、Googleアドセンスなどの広告収入、企業案件の固定報酬、商品提供による経済的利益などが含まれます。

実務では、ASPの年間レポート、支払通知、銀行口座の入金履歴を照合し、二重計上や計上漏れがないよう確認します。複数のASPを利用している場合は、月別・サービス別に一覧化しておくと申告時の集計がしやすくなります。

経費として認められやすいもの

アフィリエイト活動に直接必要な支出は、必要経費として計上できる可能性があります。

具体的には、サーバー代、ドメイン代、有料テーマ購入費、画像素材費、SEOツール代、アクセス解析ツール代などが挙げられます。パソコン、モニター、カメラ、マイク、周辺機器、ソフトウェアなども、業務に使用する範囲で経費計上の対象になります。

なお、取得価格が30万円までの資産は一括して経費計上ができる少額減価償却や、10万円以上20万円未満の資産を3年間で均等償却できる一括減価償却といった制度の利用ができないかどうかも検討が必要です。

通信費、家賃、電気代など私生活と共通する支出は、業務使用割合に応じて家事按分します。面積や使用時間など合理的な基準で按分し、計算根拠を残しておきましょう。

確定申告のステップと必要書類

確定申告をする場合のステップと、必要となる書類について確認しましょう。

ステップ1:必要書類の準備

最初に、収入と経費を証明する書類を揃えます。

資料が不足すると、正しい所得計算ができず、経費計上の根拠も示しにくくなります。収入を証明する書類としては、各ASPの年間振込レポート、支払明細、GoogleやAmazonなどの管理画面から出力できるレポート、銀行口座の入金履歴などがあります。

経費を証明する書類としては、紙の領収書やレシート、オンライン購入時の領収書PDF、クレジットカード明細、請求書、メールで届く利用明細などがあります。

ステップ2:帳簿付け(会計ソフトの活用)

次に、収入と経費を帳簿に記録します。

アフィリエイトは少額の入金やサブスクリプション型の支出が多く、手書きやExcelだけで管理すると入力漏れが起こりやすくなります。

freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携し、取引データを自動で取り込めます。ただし、自動仕訳をそのまま確定させるのではなく、業務に関係する支出か、家事按分が必要か、二重登録がないかを確認することが大切です。

ステップ3:申告書の作成

帳簿付けが完了したら、確定申告書を作成します。

会計ソフトを利用している場合は、入力済みの収入や経費、控除情報をもとに申告書を作成できます。事業所得で青色申告を行う場合は、青色申告決算書の作成も必要です。雑所得で申告する場合でも、収入金額と必要経費の内訳を整理し、説明できる状態にしておくことが重要です。

国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して作成する方法もあります。

ステップ4:提出と納税

申告書の提出方法には、e-Tax、郵送、税務署への持参があります。

現在は、マイナンバーカードを利用して自宅から提出できるe-Taxが一般的です。提出後に所得税が発生する場合は、期限までに納税しましょう。
納税方法には、振替納税、クレジットカード納付、スマホアプリ納付、コンビニ納付、金融機関や税務署での納付などがあります。また、申告書の控え、帳簿、領収書、請求書、レポート類は、一定期間保存しなければなりません。

まとめ

本記事ではアフィリエイト収入について解説しました。

アフィリエイト収入についても所得である以上、所得税が問題となります。副業であれば20万円、専業であれば95万円を超える所得がある場合には確定申告が必要です。

サーバー代、ツール代、通信費、家賃などは経費になり得ますが、業務との関連性や家事按分の根拠を残すことが欠かせません。日頃から会計ソフトで収入と経費を記録し、ASPのレポートや領収書を整理しておけば、申告時の負担を大きく減らせます。

税務判断に迷う場合や、雑所得から事業所得への切り替え、青色申告の導入を検討する場合は、クリエイター・個人事業主に強い田中貴久公認会計士事務所にお気軽にご相談ください。

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