FANZAアフィリエイトで収入を得始めたとき、多くの方が「確定申告は必要なのか?」と悩みます。会社員の副業でも専業でも、税務上の扱いを誤ると追徴課税のリスクがあるため注意が必要です。

そこで本記事では、源泉徴収の有無や申告の流れ、経費の考え方などを整理し、初めての方にもわかりやすく解説します。

 

【結論】FANZAアフィリエイト収入も確定申告が必要

FANZAアフィリエイトで得た収入は、副業の場合は20万円・専業の場合は95万円を超えると確定申告が必要です。FANZAアフィリエイトで得た収益も所得税の申告の対象となります。

アフィリエイト収入は給与所得とは異なり、振り込まれた時点で税金が引かれる源泉徴収がされていません。そのため、自ら収支を整理して税務署へ報告する必要があります。申告を怠れば、後から追徴課税や延滞税を課されるリスクがあるため注意が必要です。

正しく確定申告を行うことは節税にも直結します。事業所得として認められれば青色申告特別控除(最大65万円)が利用でき、赤字の繰越控除も可能となります。逆に雑所得として扱う場合でも、収入から必要経費を差し引いたうえで課税所得を減らすことが可能です。こうした税務上の有利な制度を活用するためには、必ず申告を前提に行動することが重要です。

さらに、正しい納税履歴を残すことで、住宅ローン審査やクレジットカード契約など金融面での信用にもつながります。

「少額だから大丈夫」と油断して無申告のままにしておくと、税務署からの調査対象となる場合もあります。FANZAアフィリエイトを継続的に行うのであれば、規模にかかわらず確定申告は必須と心得ておきましょう。

FANZAアフィリエイトと源泉徴収

FANZAにおける収入は大きく「クリエイター報酬」と「アフィリエイト報酬」に分けられます。

前者は作品の提供料や出演料に該当し、税法上は原稿料や講演料と同じ扱いとなるため、支払時に所得税が源泉徴収されるケースがあります。例えば10万円の報酬が発生すれば10.21%の所得税にあたる10,210円が差し引かれ、振込額は89,790円となります。

一方、アフィリエイト報酬は広告成果に基づく収入であり、原則として振込時に源泉徴収は行われません。ただしFANZA(DMMアフィリエイト)では例外として、個人の月間報酬が12万円を超える場合、超過分に対して10.21%の源泉徴収が行われる仕組みを設けています。

たとえば20万円の成果報酬があった場合、(200,000円-120,000円)×10.21%=8,168円が天引きされる計算です。こうした制度を理解せずに「入金額=課税済み」と思い込むと、確定申告での申告漏れや税務調査のリスクを高めてしまいます。

源泉徴収されていないアフィリエイト報酬は、確定申告で自ら収入を計上し、必要経費を差し引いた所得に応じて納税する必要があります。また、クリエイター報酬のように源泉徴収された収入がある場合には、その額も合算し、納め過ぎがあれば還付、不足があれば追納することになります。

FANZAに限らず、ASPによって源泉徴収の有無や計算方法は異なるため、各サービスの規約を確認し、支払明細や年間レポートをきちんと保存しておくことが重要です。

FANZAアフィリエイトを利用する場合、報酬区分ごとの源泉徴収の有無を正しく把握し、申告漏れを防ぐようにしましょう。

FANZAアフィリエイトの確定申告、具体的なやり方

FANZAアフィリエイトの確定申告を行う際には、まず収入と経費を整理し、所得区分を決める必要があります。そのうえで国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを利用し、確定申告書を作成・提出する流れが基本です。以下の小見出しで具体的な手順を詳しく解説していきます。

収入と経費の記録を準備する

まず収入と経費の記録を準備しましょう。

FANZAアフィリエイトの場合、管理画面からダウンロードできる「支払レポート」が最も重要な資料になります。このレポートには各月の売上総額や手数料、振込金額が記録されており、年間の収入を集計する基礎データとなります。

加えて、アフィリエイト活動に必要だった経費を領収書やレシートとともに保管しておくことが欠かせません。例えば、パソコンや周辺機器の購入費用、インターネット回線費、電気代や通信費の一部、リサーチや勉強のための書籍代や有料セミナー受講料などが該当します。

これらを漏れなく整理することで、課税対象となる所得を正しく計算できます。後になって税務署から問い合わせを受けたときに証明できるよう、紙の領収書だけでなく電子データも保存することが望ましいです。日常的にスプレッドシートや会計ソフトで記録をつけておくと、申告時に慌てずに済みます。

所得の種類(事業所得か雑所得か)を決める

アフィリエイト収入は、税務上「事業所得」か「雑所得」に分類されます。

継続的に収益を得ており、規模も一定以上であれば事業所得として扱うのが基本です。事業所得と認められれば、青色申告特別控除(最大65万円)や赤字の繰越控除といった有利な制度を利用でき、節税効果が大きくなります。

また、経費として認められる範囲も広がり、結果的に所得税や住民税の負担軽減につながります。一方、単発的な取り組みやお小遣い程度の報酬しか得ていない場合は雑所得として扱うのが妥当です。

雑所得では青色申告の特典はありませんが、収入から必要経費を差し引いた金額を申告できます。自分のアフィリエイト活動が「継続的・反復的」なのか「臨時的」なのかを冷静に判断することが求められます。

所得区分を誤ると、後から修正申告や追徴課税につながる可能性があるため注意が必要です。そのため、判断が難しい場合は、税理士に相談して区分を確認するのが安全です。

確定申告書を作成・提出する

収入と経費を整理し、所得区分を決めたら、次はいよいよ確定申告書の作成です。最も一般的な方法は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用することです。

画面の指示に従って金額を入力していけば、自動的に必要な計算が行われ、申告書を完成させることができます。また、普段から会計ソフトを利用している場合は、日々の入力を基に申告書を簡単に出力できるため、効率的に作業が進みます。作成した申告書は、e-Taxを用いてオンライン提出するか、印刷して税務署へ郵送または持参する方法があります。

提出期限は毎年3月15日であり、期限を過ぎると無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるため注意が必要です。さらに、所得税を納めるだけでなく、翌年以降の住民税や国民健康保険料にも影響するため、誤りなく記載することが重要です。早めに準備を始めることをおすすめします。

まとめ

FANZAアフィリエイトの収入は、給与と違って源泉徴収がされないため、自分で確定申告を行わなければなりません。収入と経費をきちんと整理し、事業所得か雑所得かを適切に判断したうえで、申告書を作成し期限内に提出することが重要です。

正しく申告することで追徴課税や延滞税といったリスクを避けられるだけでなく、青色申告を選択すれば控除や節税効果も期待できます。

少額だからと軽視せず、収益がある限り確定申告の対象になることを理解しておきましょう。日々の記録と早めの準備が安心につながり、今後のアフィリエイト活動を長く続ける基盤となります。

会計・税務において心配な点がある場合には、クリエイター関係に強みを持つ田中貴久公認会計士事務所にお気軽にご相談ください。

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