VRChatクリエイター業が収益化してお金が入ってくると、税金対策に頭を悩ませる人も多いでしょう。

この記事では、VRChatクリエイターが税理士を選ぶ際のポイントや、依頼を検討する判断基準とタイミングについて解説します。

VRChatクリエイターは税理士に依頼した方がよい理由

VRChatクリエイターは税理士に依頼することで、適切な経費計上や控除の活用ができるため、税務のリスクを回避できます。

VRChatクリエイターは比較的新しい職業のため、何を経費にできるのかネットで調べても情報がない場合があります。誤った経費計上をすると、後から税務調査が入った際に否認され、追加の税金を納めることになるかもしれません。そのため、税理士に相談して、経費にできるかどうかを判断してもらう方が安全です。

また、確定申告では活用できる控除がいくつもありますが、知識がないと活用できる控除を見落としてしまい損をする可能性があります。税理士に依頼することで賢く節税ができるのです。

合理的な範囲内での節税方法を教えてもらえるほか、税理士によっては資金調達や補助金申請のサポート、経営相談もしてもらえます。

VRChatクリエイターが税理士を選ぶ際のポイント4選

税理士にはそれぞれ得意分野や担当してきた案件が違います。税務の範囲は非常に幅広いため、税理士だからといって税務すべてに精通しているわけではありません。

また、依頼した場合の費用も、ある程度の相場はあるものの、税理士によってまちまちです。

誰でもよいというわけではないため、ホームページや評判を調べて、自身に合った税理士を選ぶ必要があります。

ここからは、VRChatクリエイターが税理士を選ぶ際のポイントについて解説します。

1.クリエイター業界やデジタル販売の顧問実績が豊富か

クリエイター業界やデジタル販売の顧問実績が豊富な税理士を選びましょう。特に、VRChatクリエイターやVTuber、YouTuberなどの顧問実績がある税理士を探すとよいです。

クリエイター業はコンテンツがバズったり、大きな案件を受けたりすると前年より大きく売上が増加する場合があります。また、何が経費にできるかの判断が独特な部分も存在します。

クリエイター業界に精通していない税理士に依頼すると、ビジネスに対する理解が浅いために十分な節税対策を行えず、本来よりも多く税金を納めなければならないかもしれません。

そのため、業界に精通している税理士に依頼することで、合理的に節税対策を行い、認められる範囲で税金を下げられます。

2.ITツールを導入しているか

ChatworkやSlackなどのコミュニケーションツールや、freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトに対応しているかを確認しましょう。

そうしたITツールを導入している税理士とは、コミュニケーションやデータのやり取りがスムーズに行えるため、確定申告がしやすくなります。

クラウド会計ソフトは口座やクレジットカードと連携することで、自動で仕訳データが作成されます。税理士とアカウントを共有することで、オンライン上でデータを共有できるため、通帳やクレジットカードの明細を税理士に送る必要がなくなることも利点です。

3.コミュニケーションが取りやすいか

税理士には色々な人がいるため、親身に相談に乗ってくれる人を探しましょう。融通がきかない場合や、高圧的な態度を取るような場合では、コミュニケーションが取りにくくなってしまいます。

節税対策についてあまり取り組んでくれない税理士もいるため、実際に話してみて感触を確認しましょう。

また、中にはメールや電話で質問しても、レスポンスが遅い税理士もいます。対応が早い税理士に頼んだ方が、急ぎの相談がある際に助けになるため、レスポンスの速さも確認しましょう。

4.依頼内容に費用は見合っているか

税理士を選ぶ際に、価格の安さだけで選ぶのではなく、受けられるサービスとのバランスのよさに注目しましょう。

格安で請け負っている税理士はあまりサービスの質が高くない傾向にあり、確定申告を流れ作業でするだけで、節税の相談にあまり乗ってもらえない場合があります。

後に税理士を変更するとしても、1からITツール設定や自身の収入・経費の説明、節税相談をし直さなければならず、大変な労力がかかります。できるだけ変更しなくて済むように、満足のいくサービスを受けられる税理士を選んでください。

費用が多少高くても、節税や資金繰り対策の相談に乗ってくれるのであれば、費用以上の価値があります。ただし、費用が高いからと依頼をすべて引き受けてくれるとは限りません。ホームページを調べたり実際に税理士と面談したりして、受けたいサービスに対応しているかを確認することが大切です。

VRChatクリエイターが税理士を依頼すべきタイミングの目安

最近は自動で仕訳を作成してくれる会計ソフトや、簡単に確定申告書が作成できるツールがあり、自身でも比較的簡単に確定申告できるようになりました。

しかし、課税所得や年収が一定額を超えたときなど、税理士に頼んだ方がいいタイミングがあります。

ここでは、VRChatクリエイターが税理士に依頼すべきタイミングについて解説します。

1.課税所得が330万円以上になりそうなとき

課税所得とは、売上から経費と所得控除を差し引いた額で、この金額に対して税率を乗じることで税金額が決まります。

所得税は「累進課税」という制度を導入しており、所得が一定額を超えると税率が上がります。年間の課税所得が330万円以上になる際に、税率が10%から20%に大きく上がるため、この課税所得330万円を1つのボーダーラインと考えるとよいでしょう。

年間の売上が同じでも、計上している経費や、活用している所得控除の額によって課税所得は大きく変わってきます。

課税所得が330万円以上になりそうな場合、税理士に相談し節税対策を立てると効果的です。

2.年収1,000万円が見えてきたとき

年間の課税売上高が1,000万円を超えると、2年後から消費税の申告義務が生じます。また、1月1日から6月30日までの課税売上高が1,000万円を超えた場合、1年後から消費税の申告義務が発生します。

消費税の計算や申告は、所得税と比べて難易度が高く間違いやすいため、自力でやろうとすると追徴課税のリスクが高まります。

年収1,000万円が見えてきたら税理士に依頼し、できれば毎月の顧問契約を結ぶことをおすすめします。

3.税務にかける時間を圧縮したいとき

確定申告は、必要書類を取り寄せ、レシートや領収書、帳簿書類を保管する必要があります。

資料の整理や保管、記帳、確定申告書の作成や提出などは、慣れていないと相当の時間と労力がかかります。

税務に時間をかけず、VRChatクリエイターの活動に集中したい場合は税理士を雇うことを検討してみましょう。

なお、あくまで目安ですが、税理士費用は節税相談なしの確定申告のみなら10万~20万円、節税相談ありの顧問契約であれば、月額数万円プラス確定申告料金です。税理士費用は年収や処理する仕訳の量、依頼内容によって変動します。

いずれにしても経理ができる人を自分で雇うよりは安上がりです。

VRChatクリエイターが税理士と契約を結ぶ際の流れ

税理士との契約は、問い合わせ、初回面談、見積もり確認、契約締結という流れで進めます。

まずは、税理士のホームページにある問い合わせフォームや、電話にて問い合わせをします。電話で相談をする場合もあれば、後日あらためて面談という場合もあります。

税理士との初回面談では、税理士事務所の特徴やサービス内容などの説明があり、それに対して質問するなどして面談を進めていきます。

後日、依頼内容に応じた見積金額が提示されるため、依頼内容と見合っているかを確認しましょう。

見積もりに問題がなければ、契約書の内容を確認し、契約を締結します。

なお、契約後は必要なITツールの連携や、確定申告をする際に必要な登録などを税理士と行います。

まとめ

VRChatクリエイターは、適切な節税対策を行うために税理士に相談することをおすすめします。コンテンツがバズって売上が大きく上がる場合があるため、適切な節税対策をしておかないと、本来よりも多く税金が発生する可能性があります。

そういった対策をするには、クリエイター業に精通している税理士に相談するのがよいです。ただし、自身との相性もあるため、事前にホームページや評判を確認し、面談の際に人となりを確かめてみてください。

田中貴久公認会計士事務所は、クリエイターの確定申告に豊富な実績があります。確定申告に関するお悩みは、お気軽にご相談ください。

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