
クリエイターとして個人事業主を廃業したけれど、廃業届を出し忘れていることに気づいたという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、廃業届を提出していないとどうなるのかを解説します。
また、廃業届の提出方法や、その他必要な提出書類の書き方についてもあわせて紹介します。
廃業したけれど廃業届の提出を忘れていたクリエイターや、これから廃業予定のクリエイターもぜひ参考にしてください。
廃業届とは?罰則や提出期限はある?
廃業届とは何か、提出しなかった場合の罰則や提出期限があるのかについて解説します。
廃業届とは?
廃業届とは、廃業する際に税務署に提出する書類です。
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、開業する際に提出した書類と同じ様式のものを使用します。
廃業届を税務署に提出していないと事業が継続しているものとみなされ、確定申告の案内や連絡が来る場合があります。
また、税務調査の対象となる可能性もあるため、廃業する際は必ず廃業届を提出しましょう。
事業を完全にやめる場合のほか、事業を法人化する際も個人事業主としては廃業となるため、廃業届の提出が必要です。
廃業届の提出期限
廃業届の提出期限は、廃業した年分の所得税の確定申告期限までです。
提出期限の日が土日祝日に当たる場合は、次の開庁日が期限になります。
廃業届の提出方法
廃業届の提出方法は、税務署に持参、郵送、e-Taxを使用しオンラインで提出のいずれかです。
税務署に直接持参する場合、開庁時間内であれば窓口に提出します。
開庁時間外や休日の場合、税務署に備え付けられている時間外収受箱に投函できます。
廃業届を窓口で提出すると廃業届を提出した日付や税務署名を記載した「リーフレット」を受け取れます。
郵送する場合も、切手を添付した返信用封筒を同封することで、リーフレットを返送してもらえます。
e-Taxで廃業届を提出する際はPCとマイナンバーカード、ICカードリーダーあるいは読み取り対応しているスマートフォン、e-Taxソフトの準備が必要です。
e-Taxを初めて使用する際は、e-Taxの開始(変更等)届出書を提出し、利用者識別番号を取得する必要があります。
e-Taxは最初のセットアップに手間がかかりますが、様々な申請や手続をオンラインで提出できる便利なシステムのため、活用をおすすめします。
セットアップが終わったら、e-Taxで廃業届を作成し提出しましょう。
廃業届とあわせて提出する書類
個人事業主が廃業する際にあわせて提出する書類が複数あります。
どの書類を提出するかは個人の状況によって変わるため、自身の状況を確認して必要な書類は何かを判断しましょう。
| 書類名 | 対象者 | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 所得税の青色申告の取りやめ届出書 | 青色申告をしている事業主 | 青色申告を取りやめようとする年の所得税の確定申告期限 | 納税地を所轄する税務署長 |
| 事業廃止届出書 | 消費税の課税事業者 | 速やかに | 納税地を所轄する税務署長 |
| 事業開始(廃止)等申告書 | 個人事業税の対象事業を営む事業主 | 事業の廃止の日から10日以内 | 所轄の都道府県税事務所 |
| 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続 | 予定納税をしており税額が大きく減る予定の事業主 | 第1期分および第2期分の減額申請:その年の7月1日から7月15日 第2期分のみ:11月1日から11月15日 | 納税地を所轄する税務署長 |
廃業する際の書類の書き方
廃業する書類の種類および書き方をそれぞれ解説します。
個人事業の開業・廃業等届出書
納税地を所轄する税務署へ提出します。
廃業の日付、納税地の住所を記載し、自身の名前や、屋号が別途ある場合は屋号などを記載します。
税務署へ持参する、あるいは郵送する場合は本人確認書類の写しを添付する必要があります。
所得税の青色申告の取りやめ届出書
青色申告の承認申請書を提出している場合に、青色申告を取りやめるための書類です。
青色申告を取りやめる理由(廃業のため)や日付を記入します。
上段に納税地や氏名、屋号が別途ある場合は屋号を記載し、下段に青色申告の承認を受けていた期間を記載します。
事業廃止届出書
消費税の課税事業者である場合に提出する書類で、事業を廃止したことを税務署に報告するためのものです。
事業廃止の日付や理由を記載します。
廃業届と違い、事業を廃止したら速やかに提出することとなっているため、できるだけ早く提出しましょう。
上段に納税地や氏名などを記載し、下段に個人事業の廃業日などを記載します。
参考:事業廃止届出手続|国税庁
事業開始(廃止)等申告書
住所地を所轄する都道府県税事務所へ提出するものであり、事業の開始と廃止で同じ書類を使います。
他の書類と提出先が違うため、間違えないように気を付けましょう。
また、提出期限が事業の廃止の日から10日以内と短いため、廃業したらすぐに提出する必要があります。
申告書の新(変更後)欄のみに記載所在地や事業の種類を記載し、事由等の廃止を丸で囲みます。
参考:事業開始(廃止)等申告書
所得税および復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続
予定納税義務があり、その年の6月30日あるいは10月31日の現況による税額見込みが、予定納税基準額に満たないと見込まれる場合に、予定納税の減額を求める書類です。
予定納税額は前年の所得や税額を基に計算された金額が15万円以上の場合に対象となり、7月に第1期、11月に第2期の金額を納めます。
対象となった場合は税務署から通知が来るため、それに応じて期限ごとに納付をするものです。
廃業により前年と比べ大幅に所得が減る予定の場合、予定納税の減額を税務署に申請できます。
予定納税で払いすぎた分は確定申告により戻ってくるものの、一時的な金銭負担を避けるために提出しておいた方がいいでしょう。
提出期限は、第1期分および第2期分の減額申請をする場合、その年の7月1日から7月15日までに提出が必要です。
第2期分のみの減額申請については、その年の11月1日から11月15日までに提出する必要があります。
なお、提出期限が土日祝日等に当たる場合は、これらの次の平日が提出期限となります。
税務署に書類を持参する方法のほか、郵送やe-Taxによる提出も可能です。
廃業届を出さないとどうなる
廃業届を提出しなかった場合、税務署から確定申告の案内が届いたり、税務調査の対象となったりする場合があります。
廃業届の提出をしていないことによる税法上の罰則はないものの、トラブルを避けるため廃業した年の確定申告期限までに廃業届を提出するようにしましょう。
なお、年の途中で廃業したとしても、その時点までの事業からの稼ぎについては確定申告をする必要があり、確定申告をしないと追徴課税の対象になります。
廃業する年に個人事業主としての稼ぎがある場合は忘れずに確定申告をしましょう。
【FAQ】こんな時どうする?クリエイターの廃業Q&A
クリエイターの廃業について、よくある質問にお答えします。
Q数年前の廃業でも、当時の日付で出していい?
A:実態に合わせ、廃業した年月日で提出してください。
ただし、廃業届は廃業をした年の確定申告期限までに提出することになっているため、数年前の廃業の場合、税務署への説明が必要な場合があります。
Q売上がゼロなら確定申告もしなくていい?
A:基本的には不要です。ただし、下記の事項を確認しましょう。
売上がゼロの場合、基本的に確定申告の必要はありません。
ただし、事業以外でも雑所得や一時所得、譲渡所得など他の所得がある場合は確定申告をする必要があります。
また、青色申告で前年以前からの損失を繰り越している場合、当年も引き続き損失を繰り越すためには売上ゼロでも青色申告をする必要があります。
その他、赤字になっていると還付を受けられる場合があるため、そういった場合は売上ゼロでも確定申告をした方がよいでしょう。
事業所得について確定申告をすることは、継続的に事業を営んでいるという証明の1つとなります。
確定申告書および決算書は金融機関からの融資やクレジットカードの審査などで提出する書類の1つとなり、これらがないと審査通過できない可能性があります。
信用力を確保するためにも、確定申告することをおすすめします。
まとめ

個人事業主が廃業をする際は、期限までに廃業届等の書類を忘れずに提出しましょう。
提出しないことによる直接の罰則はないものの、税務調査の対象となる場合があるなど、不要なトラブルにあう可能性があります。
廃業届と事業開始(廃止)等申告書はすべての個人事業主が提出対象です。
所得税の青色申告の取りやめ届出書は青色申告承認申請書を提出している場合、事業廃止届出書は消費税の課税事業者である場合に提出する書類のため、自身が該当するかを確認しましょう。
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