確定申告を終えた後に「売上を入れ忘れたかもしれない」「経費の計上が違っていたかもしれない」と気づき、不安を感じているという人もいるのではないでしょうか。

特にクリエイターや副業フリーランス、個人事業主は、入金時期のズレ、源泉徴収の処理、経費区分の判断などで申告内容に誤りが生じやすい傾向にあります。

本記事では、確定申告の間違いで税務署から連絡はくるのかといった疑問から、ミスが発覚した場合の対処法や修正の手順まで解説していきます。

 

確定申告で間違いがあったら税務署から連絡はくる?こない?

確定申告で間違いがあった場合、税務署から連絡はくるのでしょうか。

納税額が少ない場合は高い確率で連絡が来る

売上の計上漏れや、経費の入れすぎによって本来より税額が少なくなっている場合、税務署から確認や指摘が入る可能性があります。

税務署は支払調書、法定調書、過去の申告データ、取引先から提出される資料などを通じて申告内容を照合しています。

クリエイターであれば、報酬の支払調書と売上計上額がずれている、副業フリーランスであれば、雑所得や事業所得の収入記録に漏れがある、といったケースがありがちです。納めるべき税額が少ない場合、税務署は確認・指摘をせざるを得なくなるでしょう。

税金を払いすぎた時は連絡が来ない

反対に、計算ミスや控除漏れで本来より多く納税していたとしても、税務署から「払いすぎています」と積極的に教えてくれることは、原則としてありません。

この場合、払いすぎた税額を戻すには、更正の請求など所定の手続きが必要です。

たとえば、青色申告特別控除の適用漏れ、必要経費の計上漏れ、社会保険料控除の入力漏れなどで税額を多く納めてしまっても、納税者自身が気づいて動かなければ、そのままになる可能性があります。
初心者ほど「税務署が自動で直してくれるのでは」と考えがちですが、この理解は危険です。

どちらにせよ放置するのは危険

申告の間違いは、少なく申告していた場合も、多く払いすぎていた場合も、放置するのは危険です。

少なく申告していたケースでは、発覚後に延滞税や過少申告加算税などのペナルティを受けるため、対応が必要です。一方で多く払いすぎたケースでは、放置すると本来戻るはずのお金を受け取れないままになります。

税務署から連絡がくる「時期」と「方法」

結論として、税務署からの連絡は申告直後に来ることもあれば、数か月後、場合によってはさらに後になることもあり、方法は電話または文書です。

申告内容の確認は一律のタイミングで行われるわけではなく、確認対象や疑義の内容によって進め方が異なります。事前に流れを知っておくと、突然連絡が来ても落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

税務署から連絡がくる時期

税務署からの連絡時期はケースによって異なりますが、4月~5月の申告後の比較的早い時期に確認が入ることもあれば、夏以降や年内、さらに後になることもあります。

連絡をするためには、申告データの確認、資料との突合、申告内容の精査が必要です。単純な記載漏れや添付書類の確認であれば比較的早めに連絡が来ることがありますが、収入計上や経費算入の妥当性など、検討に時間を要する内容では時間がかかる場合もあります。

税務署からの連絡方法

税務署からの連絡方法は、電話または文書で行われることが一般的です。

軽微な確認事項は電話で足りる一方、確認内容や回答依頼を明確に残す必要がある場合は文書が用いられるためです。

たとえば、マイナンバーや住所の記載不備、添付漏れ、金額確認など比較的軽い内容なら電話で確認されることがあります。他方、収入の根拠、経費の内容、資料提出の依頼などは、いわゆる「お尋ね」に近い形で文書連絡になることがあります。

電話であっても、その場で曖昧に答えるのは避けるべきです。手元の帳簿や申告書控えを確認せずに回答すると、説明がぶれて、後の対応が難しくなることがあります。わからない点は「確認のうえ折り返します」と伝えるのが良いでしょう。

ミスに気づいたらどうする?2つの修正パターン

ミスに気づいたらどうすればいいのでしょうか。2つの修正パターンを知っておきましょう。

税金を少なく申告していた場合は修正申告

本来より少ない税額で申告していた場合は、修正申告で訂正します。

たとえば、売上の計上漏れ、源泉徴収前の報酬額ではなく入金額ベースで誤って記帳していたケース、家事按分できない私的支出を経費に入れていたケースなどが該当し得ます。

税務署からの調査通知前にできるだけ早く自主的に対応することで、過少申告加算税がかからなくなります。一方で、過少申告の疑いを放置すると、税務調査や照会の後で修正申告となり、余計な負担につながります。

税金を多く払いすぎていた場合は更正の請求

反対に、本来より多く税金を納めていた場合は、更正の請求で訂正を求めます。

たとえば、必要経費の計上漏れ、医療費控除や社会保険料控除の反映漏れ、青色申告特別控除の適用漏れなどに気づいた場合が考えられます。更正の請求ができる期間は原則として法定申告期限から5年以内です。払いすぎた税金は、自動で精算されるとは限らないため、期限内に手続きする必要があります。

初心者ほど「後で見つかれば戻るだろう」と考えがちですが、還付を受けるには申告が必要ということを知っておきましょう。

申告期間中(3/15まで)の場合

申告期限内に誤りへ気づいた場合は、訂正した内容であらためて申告書を提出します。

申告期限内であれば、誤った箇所を直して再提出した申告書が有効に扱われます。なお、曜日の関係で法定期限日が3月16日になる年もあるため、その年の正式期限は国税庁の案内で確認する必要があります。

間違いを放置した時のペナルティ

確定申告の間違いを放置した時には、追加で税金を納めるだけでなく、延滞税や各種加算税が課されることがあります。そのため、誤りに気づいた時は、内容に応じて早めに修正申告などを行うことが重要です。

延滞税

納付期限までに納めるべき税額を納めなかったことに対してかかるペナルティが延滞税です。

延滞税の割合は期間によって異なり、2026年(令和8年)は、納期限の翌日から2か月を経過する日までは年2.8%、それ以後は年9.1%です。放置期間が長いほど負担が重くなるため注意が必要です。

過少申告加算税

期限内申告はしたものの、税額が少なすぎた場合のペナルティが過少申告加算税です。

税率は、新たに納める税額の10%で、当初の申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%です。

もっとも、税務署の調査の事前通知前に自主的に修正申告をした場合は課されません。調査の事前通知後に修正申告した場合は、原則5%、さらに一定額を超える部分は10%となります。

無申告加算税

期限内に申告していなかった場合のペナルティが無申告加算税です。

税率は原則として、納める税額のうち50万円までは15%、50万円を超え300万円以下の部分は20%、300万円を超える部分は30%です。なお、税務署の調査通知前に自主的に期限後申告をした場合は、原則5%に軽減されます。

重加算税

仮装や隠ぺいがあると判断された場合に課される、特に重いペナルティが重加算税です。

税率は、過少申告に代えて課される場合は35%、無申告に代えて課される場合は40%です。さらに、過去の加算税歴など一定の場合には加重措置により10%が上乗せされ、50%になることもあります。

税務署から連絡がきた時のNG行動と対処法

税務署から連絡がきた時にやってはいけないNG行動と、正しい対処法はどのようなものかを知っておきましょう。

NG行動

NG行動としては、無視する、事実確認前に断定して答える、つじつま合わせの説明をする、といった行動が挙げられます。

連絡を無視すると、税務署としては強い対応が必要だと考えるでしょう。

また、返答するときに、電話で焦って「たぶん経費です」「売上漏れはありません」と断言してしまい、後から帳簿と食い違うことが判明すると、税務署に「虚偽の報告をしたのではないか」と不信感を与えてしまいます。その結果、より厳格な税務調査に発展する恐れがあるため、注意が必要です。

対処法

正しい対処法は、連絡内容を確認し、次に申告書控え、帳簿、請求書、領収書、入出金記録を照合し、わからない点は即答しないことです。

税務上の対応は記憶より資料が重視されるからです。たとえば、電話で確認を受けたら、その場で無理に答えず、「手元資料を確認して折り返します」と伝える方が安全です。

そのうえで、過少申告が判明したなら修正申告、払いすぎなら更正の請求を検討します。

まとめ

本記事では、確定申告の間違いで税務署から連絡はくるのか、また、ミス発覚時の対処法と修正の手順について解説しました。

確定申告の内容で過少申告となっている場合には税務署から連絡が来ることになります。気づいた時によって適切な手続きで修正をするようにしましょう。

心配なことや対応に苦慮している場合には、税理士に相談することは最適な一手の一つです。田中貴久公認会計士事務所はクリエイター・個人事業主の税務・会計に強いのでお悩みであればお気軽にご相談ください。

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